皆さんこんにちは。
日中の暑さをよそに、冷房の効いたオフィスで快適に過ごしている管理栄養士のKです。

しかし、そんな快適空間でも長時間過ごしていると「手足の冷え」「胃腸の不調」「慢性的なだるさ」などの不快症状が出てくる方も多いのではないでしょうか?実はこの冷えは、単に不快なだけではなく、夏バテの発症や長引きの原因になることがあります。今回は管理栄養士の視点から「オフィスでできる冷房×夏バテに負けない食事術」をご紹介!

冷えが夏バテを悪化させるメカニズム


冷房によって体表温度が下がると、体は熱を逃さないように末梢血管を収縮させます。
この反応は体温を保つために必要ですが、同時に血流が滞り、筋肉や内臓に十分な酸素と栄養が届きにくくなります。血行不良は代謝を低下させ、疲労感や倦怠感を引き起こします。

さらに、体が冷えることで消化器系の働きも低下します。胃腸が冷えると消化液の分泌が減少し、食欲が落ちやすくなり、結果的に必要な栄養素の摂取量が不足します。これによりエネルギー産生も低下し、だるさや集中力の低下、免疫力の低下といった症状が現れやすくなります。

管理栄養士おすすめ「冷え×夏バテ」食事ケア3選


➀体温上昇と維持は「たんぱく質」を
筋肉は体の熱産生の大部分を担っているため、筋肉量が少ないと冷房環境では体温を維持しにくくなります。そのため、日々の食事で体重1.0〜1.2g/㎏のたんぱく質摂取を心がけると◎

※例えば体重55kgの方なら1日55〜66gが目安
1食あたり、大体手のひらに収まるくらいのたんぱく質を含む食材の量を摂取することが理想です。

また、食後は食べ物の消化・吸収・代謝に伴ってエネルギー消費が増え、その過程で熱が生じ体温が上がります。
熱産生の量は栄養素の種類によって割合が異なりますが、脂質0~3%、炭水化物5~10%のところ、たんぱく質は20~30%と脂質・炭水化物と比較すると熱産生が多くなります。そのため、 肉・魚・卵・大豆製品など、動物性と植物性を組み合わせてバランス良く摂ることがポイントです。

▶ コンビニで手軽に
やきとり/焼き魚パック/サラダチキン/ゆで卵/豆腐バー など

➁「香味・発酵食品」で 血流促進&代謝サポート
生姜、ねぎ、にんにく、唐辛子などに含まれる辛味成分(ジンゲロール、アリシン、カプサイシン)は血流を促進し、冷えによる代謝低下をサポートします。また、味噌・納豆・キムチ・ヨーグルトといった発酵食品は腸内環境を整え、栄養吸収効率を高めます。

▶ ランチにプラスワン
味噌汁は「温かい・発酵食品・ミネラル補給」の三拍子
生姜チューブを入れてアレンジもおすすめ◎

➂飲み物は「温度+ミネラル補給」を意識
キンキンに冷えた飲み物は一時的に爽快感を与えますが、胃腸を冷やして消化機能を低下させます。冷え対策を目的とする際は常温〜温かい飲み物を基本とし、さらに発汗や代謝で失われやすいミネラル補給を◎

▶ 仕事の合間や休憩に!
常温に戻した 麦茶/ほうじ茶/ルイボスティー など
ミネラル補給を目的に野菜ジュース など

まとめ


冷房による冷えは、夏バテやだるさの大きな原因になります。

▶ たんぱく質で体温を維持
▶ 香味・発酵食品で血行の巡りと吸収をサポート
▶ 常温・温かい飲み物で内臓を守る

3つ意識でオフィスでも無理なく冷えと夏バテを整えましょう◎


▼参考
冷房による冷えからくる体調不良について | 病気について | 近畿大学 メディカルサポートセンター
https://www.kindai.ac.jp/health/about/air_conditioning/#:~:text=%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BD%93%E6%B8%A9%E3%82%92,%E6%89%8B%E8%B6%B3%E3%81%8C%E5%86%B7%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

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身体の”熱”の発生源は筋肉(市報のだ10月15日号掲載)|野田市ホームページ
https://www.city.noda.chiba.jp/kurashi/fukushi/hoken/1017562/1018185.html

日本生化学会関東支部 – ことばのページ
https://www.biochem-kanto.jp/kotoba/index.php